G1レースが開催されることのない夏競馬には様々な格言があります。
競馬好きな方なら聞いたことのある言葉ばかりだとは思いますが、そのような格言はなぜ生まれたのでしょうか。
格言の正体に迫ってみれば当てるのが難しいと言われる夏競馬に強くなれるかもしれません💪

夏は牝馬

夏競馬の格言の中で最も有名とも言えるこの言葉。
なぜこのような言葉が生まれたかというと、実は馬は暑さに弱い生き物なのです。
その理由は、馬の汗腺はアポクリン腺と呼ばれ、人間のエクリン腺とは異なるもの。
アポクリン腺は運動や興奮するときに反応して汗を分泌するものの、気温の上昇に対して機能を果たすことができないために運動をしていない状態では汗をかきづらいと言われています。
また、馬の汗は泡立つ性質を持っているので、発汗による冷却効果も限りがあります。
馬は人間よりも筋肉質な生き物であることも関係しており、運動時に体内で熱の燃焼が続き、十分な冷却をすることができずに体温調整が難しくなってしまうとのこと。

夏にG1レースが開催されない理由の1つがここにあるのです。
馬全体が暑さに弱い生き物ですが、特に牝馬よりも牡馬は暑さに弱い傾向にあります。
その理由としては、牡馬に比べると牝馬は体格が小さい馬が多く、体脂肪の割合が低いことから効果的に体温調整を行うことができるからというのが1つ。
代謝も牡馬より牝馬の方が安定していると言われており、気温変化への適応能力が牝馬の方が高いと考えられるようです。

発情期を春に迎える、夏にかけてホルモンバランスが安定してくるそうで、このホルモンの変動が少ない時期は精神的に落ち着きもあるそうで、レースに集中しやすいというのも理由のようです。

過去10年で牝馬限定戦を除いた全JRA重賞の勝利数を性別で見ると牡馬・セン馬が990勝に対して牝馬は150勝と圧倒的に牡馬が成績で勝るのですが、牝馬の方が成績の良いレースもありますがそのレースが夏競馬に開催される重賞。

・アイビスサマーダッシュ8勝
・北九州記念6勝
・キーンランドカップ6勝

また複勝回収率を見ても、5月から9月の気温が高い時期は牝馬の方が上回っており、470㎏を下回る牝馬はさらに回収率が上がるというデータもあるそうです。
気温で見ても、30度以下では牡馬の方が勝率が高いものの、30度を超えてくると牝馬の方が勝率が高いとも言われています。

もちろん馬によっても個性はあるので一概に牝馬の方が強いとは言えませんが、1つの傾向として夏は牝馬という格言は間違いでないことは証明されています。

夏は芦毛

夏は牝馬というのは理由があることが分かりましたがこちらはどうでしょうか。
この言葉が言われるようになった理由は、黒い洋服は熱を吸収しやすく、それに比べると白い服は熱を吸収しにくいからというのが理由になっているようです。
これを聞く限りではかなり怪しい格言ですが、実際はどうなのでしょうか。
こちらに関しては芦毛の勝率や回収率が上がるということはなく、毛色によって成績が変わることは確認できませんでした、、、
馬券を買ううえでまったく気にしなくてよいようです😅
見る側にとっては少し涼し気に感じて良いかもしれません(笑)
全く関係ない話ですが、2021年の札幌記念でソダシが勝利したときは馬が絶対に抜かせないぞと言わんばかりの話を見せての勝利で感動したのを思い出しました。

この時も9番アイスバブル7着で特に成績を上げるということは無かったですね。
毛色によって馬の暑さの感じ方が変わるかは分からずでした。

夏は格より調子

最後はこの言葉。
実績上位の馬よりも勢いのある馬を狙えという意味のようですが、こちらはどうでしょうか。
こちらに関しては正直なところ何とも言えないといった様子。
格を図るための指標となると言える斤量。
春に比べると斤量を背負う馬の成績が落ちると言われていますが、これに関しては重賞でしっかりと結果を出してきた馬は夏競馬に登場することがなく、そういった馬たちには勝てていなかったものの重賞でそれなりに好走してきた馬が斤量を背負わされるから成績が落ちてしまうのではないでしょうか。
個人的な意見では3歳馬の斤量が有利なことも関わっているのではないかと思います。
有馬記念も3歳馬の成績が良いレースですが、実力のある馬が軽い斤量で走れるのであればそれは間違いなく有利。
特に条件戦では3歳馬の勝利が多いように映ります。
はっきりとしたデータを見つけることはできなかったのですが、馬は暑さに弱い生き物ということを考えると確かに調子の変動が起きやすいので、調子を見ることは大切かもしれません。
普段よりも、パドックでの馬の様子がどうかを見るのが大切ということではないでしょうか。
パドックで全てが分かるほど甘くはないと思いますが、発汗や歩様等明らかに状態の良くない馬ということなら分かるかもしれません。

本当に夏競馬は荒れるのか

格言を紹介してきてふと思ったことを最後に。
そもそも夏競馬は本当に荒れるのでしょうか。
これに関して調べてみると理由の1つとして
・輸送距離が長くなりストレスが溜まりやすい
ということがあるようです。
4大会場で競馬が行われない夏は、北海道や小倉と普段よりも輸送が長くなることが多くなります。
輸送に強い馬と弱い馬がいるようですが、弱い馬は一晩で汗だくになってしまうほどのストレスを抱えるとのこと。
大幅な体重減の馬がいたら割り引く必要があるかもしれません。

またこの4大会場で競馬が行われないというのも理由の1つ。
中京競馬場、新潟競馬場は直線が長いコースではありますが、それ以外は全て最終直線が300m未満。
あまりパワーのない馬でも最後までスピードを持続して走ることができることが、荒れる理由の1つのようです。
特に馬場が綺麗な開幕週では人気薄でも内枠の逃げ、先行馬が押し切るイメージも強いですね。

最後に納得してしまったのは、新馬戦が開催されているからというもの。
6月から行われる新馬戦ですが、新馬戦は全頭が初出走なので情報が他のレースに比べて明らかに少ないレース。
いざ競馬場に出てみなければ分からない部分が多くあるために、人気馬が人気通りに走れないという場面を多数見かけます。
全体の数値で見て荒れる傾向にあるとしたら、それは新馬戦が大きく影響しているかもしれません。

まとめ

夏競馬の格言と荒れる理由について今回は探ってみました。
眉唾物の話もあれば納得の理由もある格言もありましたが、競馬には長い歴史があり、それを見てきたファンが自身の傾向から色々なことを言い出しているために格言が生まれたのではないでしょうか。
競馬ファンの1人1人が新しいことを言い出せば、その中の何かが新しい格言として今後残ることになるかもしれません。
あなたの思う競馬の格言は何ですか?
ぜひコメント欄で教えてくださいね✨

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